イースト・プレスの悦文庫は、情事そのものより、そこに至るまでの心の動きに紙幅を割くレーベルです。過去に傷を負った人物どうしが、ゆっくり距離を縮めていく話が並びます。「人妻の濡れた花びら」は、離婚を経た中年男と、夫に虐げられている隣室の人妻が、桜の季節を背景に心を通わせていく一作です。
長く抱えた片想いを扱う作品も目立ちます。「親友の彼女」は、学生時代に憧れていた相手が親友と結ばれる場面を目撃した男が、八年越しに気持ちの決着をつけようとする話です。過去を清算するために会いに行く、という形で再会が用意されています。
章立てで段階を踏み、感情が動いてから身体が動く順序を守る書き方が共通しています。設定の奇抜さで押すのではなく、情緒で読ませる一群です。
先に結論。読者評価で選ぶ上位3冊
-
1位
人妻の濡れた花びら
「情景がありありと浮かんでくるように描かれていて、特に最後のシーンはとてもエロく感じられて興奮… -
2位
親友の彼女
「文章の表現が上手くてスラスラと読めて、しかも非常に興奮しました」 -
3位
未亡人は夜に濡れる
「切ないドラマ性と官能の臨場感が見事にマッチしています。舞台を農村にしたのも心憎く、土俗的な香…
1位 人妻の濡れた花びら (葉月奏太)
48歳でバツイチの久明は、隣室に住む清楚な人妻・小百合の存在が気になっていた。そんな折、元嫁の妹・杏菜と6年ぶりに再会し、酔いの勢いでホテルへ。しかし久明の心はどうしても隣室の小百合へと向いてしまう。過去の傷を抱えた男やもめと、夫に虐げられる人妻がゆっくりと心を通わせていく、桜の季節を背景にした情緒たっぷりの官能物語。
口コミ総評 桜の移ろいと距離が縮まる過程を重ねた情緒と、落ち着いた年齢設定が評価される。一方、都合よく片付く展開への物足りなさや、作風の同一性を挙げる声もある。
基本情報
| 著者 | 葉月奏太 |
|---|---|
| 発売日 | 2018/04/19 |
| ページ数 | 288ページ |
| 評価 | 4.1 |
| スコア | 96 |
口コミ
- 「情景がありありと浮かんでくるように描かれていて、特に最後のシーンはとてもエロく感じられて興奮しました。」
- 「ベランダから見える桜が蕾から咲き乱れていく様子と、隣人妻・小百合との距離が縮まっていく過程が重なり合っていて、しっとりとした情緒を感じました。」
- 「登場人物がみんな30代以上という落ち着いた設定で、隣家の粗暴な夫の描写が小百合の健気さを引き立てていて、他の官能作家とは違ったうまさを感じました。」
- 「この作者の本は読み物としては面白いんですが、官能小説としてはいつも同じパターンだなと感じてしまいました。」
- 「離婚に素直に応じる元夫や、ちゃんと結婚相手がいる義妹など、都合よく後腐れなく別れられる展開が多くて、修羅場のはずなのに安っぽさを感じてしまいました。」
- 「性的興奮を得るための官能小説として読むと、この作品は範疇の外にあるように思えて、その点では物足りなさが残りました。」
2位 親友の彼女 (葉月奏太)
そ、それ、ダメ……あううッ、声が出ちゃう……
声を抑えながらも興奮はどんどん高まり、もはや欲望があふれ出し──
地方勤務の康介は、GWを利用して東京に帰省。大学時代の仲間と4年ぶりに集まり、酒を酌み交わすことに。その場には2歳年上の穂乃花の姿もあった。彼女は高○のときから学園のマドンナで、康介はずっと片想いをしていた。同じ大学に入ることができて喜ぶも、ある日、衝撃的な場面に遭遇。穂乃花と親友の健吾が部室でセックスをしていたのだ。心を激しくかき乱されながらも彼らから目が離せず……。大学卒業と同時に東京を離れても彼女への想いは募るばかり。4年ぶりに穂乃花と会うことにしたのは、自分自身の気持ちにけりをつけるためだったが──。
【目次】
第一章 汗にまみれるふたり
第二章 許されない情熱
第三章 八年目の真実
第四章 声を抑えての絶頂
第五章 泡に包まれながら
エピローグ
口コミ総評 表現のうまさですらすら読める文章と、官能としての手応えが評価されている。
基本情報
| 著者 | 葉月奏太 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/05/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 4.0 |
| スコア | 93 |
口コミ
- 「文章の表現が上手くてスラスラと読めて、しかも非常に興奮しました」
3位 未亡人は夜に濡れる (葉月奏太)
昼は淑やかだが、夜は快楽をむさぼり淫蕩な女に……
仏壇の前では、いやだって言ったのに……
会社員として平凡な日々を送っていた拓真はある日、辞令により農業研修をすることに。慣れない農作業を終えて下宿先に戻り、そのまま風呂場へと直行。脱衣所に入ると浴室から湯を使う音が!? この家に暮らす未亡人・花恵かもしれない。拓真は欲望に負けて引き戸に指をかけた。わずかな隙間から見える花恵のむっちりした裸体。泡だらけの手を重たげな乳房にあてがって、それは洗うというよりまるで愛撫しているかのよう。彼女の呼吸は微かに乱れ、喘ぎ声までもらしはじめて……。花恵は八つ年上の三十七歳。熟れた身体を持てあます未亡人との奇妙な共同生活がはじまった。
口コミ総評 農村を舞台にした土俗的な空気と、未亡人の心の変化を支える緻密な設定が評価される。一方、序盤から中盤は官能が薄いという声や、作風の同一性を指摘する意見もある。
基本情報
| 著者 | 葉月奏太 |
|---|---|
| 発売日 | 2018/07/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.8 |
| スコア | 93 |
口コミ
- 「切ないドラマ性と官能の臨場感が見事にマッチしています。舞台を農村にしたのも心憎く、土俗的な香りが匂い立つ中で人妻とのロマンスが切ないほどに紡ぎ出されます」
- 「細かい設定と緻密な計算が随所にあります。未亡人の心の変化、男の成長に加えて脇役の人物も素晴らしく、妄想が膨らむ場面が多く楽しめました」
- 「覗かれていると気づきながら予想に反した行動を見せるところに捻りが加えられています。3ヶ月の研修期間に初盆や一周忌が訪れることもしっかり計算されていました」
- 「序盤から中盤はアプローチに費やされるため官能面の不足は否めず、その穴埋めにサブヒロインが登場します。いっそメインヒロイン一人でも良い気がしました」
- 「なんだこの小説は、という感想です。こんな内容では何にも感じることができませんでした」
- 「この作者の本は読み物としては面白いのですが、官能小説としてはいつも同じパターンだと感じます」
4位 媚薬! みだらな性力実験 (橘真児)
何の取り柄もないフリーターの正路は、高額報酬につられて潜在能力を高める薬の治験を引き受ける。
薬の効果がでないと思っていた矢先、いきなり頭が冴え、バイト中に遭遇した強盗を見事撃退。すると、いつも正路の仕事ぶりをバカにしていた亜希子が、強盗から助けてくれたお礼にと女を教えてくれる展開に!?
美女の身体を愛撫し、正路は童貞歴25年モノを押しこむも一度ではエレクトはおさまらない。薬の副作用を利用して憧れの女性たちとの淫らな実験がはじまる!!
口コミ総評 薬をめぐる仕掛けの面白さと、ありえない現実を受け入れて生きていく筋立てが評価される。その後を知りたいという声もある。
基本情報
| 著者 | 橘真児 |
|---|---|
| 発売日 | 2017/03/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.7 |
| スコア | 92 |
口コミ
- 「友人が主人公に治験で飲ませる薬が媚薬ではない、という設定が面白かったです。何の薬なのかは伏せますが、読む価値はあります」
- 「生物学上ありえない現象に陥り、その現実を受け入れながら生きていく話です。若返った肉体を得て自由に関係を持っていく展開でした」
- 「その後、主人公がどのような生活を送っていくのかがすごく気になります。読者の想像に任せる作りなのでしょうが、そこは知りたかったです」
5位 目覚めていく人妻 (霧原一輝)
恥ずかしいわ。腰が勝手に動くの……
ワケアリな女たちは、拒みながらも堰を切ったように昇りつめてゆき――。
妻に先立たれ、会社を55歳で早期退職した泰三。喫茶店の雇われマスターをしつつ、喪失感を埋めるように旅行を繰り返していたある日、ひとりで来たという魅力的な人妻・友子と出会う。会話が弾み、夕食をともにし、ほろ酔い気分でいると彼女がついばむようなキスをしてきて……。友子と激しく甘い関係を持った数日後、会社員時代に不倫関係にあった部下の暁美が突然、喫茶店を訪ねてくる。彼女は夫と縁を切り、ひとりで生きる決意をかためるために泰三を激しく求めてきた……。それぞれの女性が第二の人生に踏み出すなか、泰三も愉楽に触発され、新たな「生」を取り戻す――
基本情報
| 著者 | 霧原一輝 |
|---|---|
| 発売日 | 2018/11/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.8 |
| スコア | 91 |
6位 隣りの人妻―蜜戯の園 (霧原一輝)
家電メーカーに勤める48歳の菊地陽介は、妻と大学生の娘の三人家族。隣家の白井家とも仲は良好だ。白井家は、36歳・恒平と32歳の・智美の夫婦と、恒平の父親である喜一とが同居する三人住まい。何気ない交流のたびに、隣家の人妻を意識するようになった陽介だったが、ある日、ただならぬ様子で智美が訪ねてくる。妻と娘は旅行中で不在、よく見ると智美のブラウスはボタンが引きちぎれ、ひどく怯えていて……。幸せな二つの家族を取り巻く、欲望と淫気を赤裸々に描いた衝撃作!
基本情報
| 著者 | 霧原一輝 |
|---|---|
| 発売日 | 2015/07/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.8 |
| スコア | 91 |
7位 未亡人の秘密 下着の罠 (館淳一)
ママが特別なご褒美をあげる―― 受験を控えた高○生の真希雄は翻訳家の母と二人暮らし。ある日、自分宛に届いた一冊の謎の雑誌――『人妻熟女・緊縛調教館』。そこには淫らで艶麗な饗宴が繰り広げられていて……。それがきっかけとなって真希雄と母、ひろ子との禁忌すれすれの倒錯秘戯の日々が始まった。一方、同じ頃、ひろ子はある下着の訪問販売にすっかり心を奪われていた。知らぬ間に二人を 生贄にする罠が張られているとも知らず……。最高傑作の誉れ高い館淳一、渾身の逸品!
口コミ総評 珍しく緊縛を扱った点と、全体としてのソフトさが評価される。一方、続編前提で未完という指摘や、題材そのものが読み手を選ぶという声もある。
基本情報
| 著者 | 館淳一 |
|---|---|
| 発売日 | 2015/01/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.6 |
| スコア | 88 |
口コミ
- 「この作者にしては珍しく緊縛の描写があります。全体的にはソフトで、中級者でも楽しめると思います」
- 「会員になってみたいと思わせるような、官能的な作品集です」
- 「ストーリーとして未完で、続編が前提の出版のようです。これから盛り上がりそうなところで終わってはいけません」
- 「主軸となる題材が受け付けない方は注意が必要です」
8位 花の咲く島 (末廣圭)
女の口から男のエキスが……。
憧れの先輩からは触ってみたいと大胆発言、旅館の女将からは淫戯に誘われて――
20歳を迎えた大学生の竜一は、祖母の願いを受けて先祖の墓参りのため八丈島へ。すると、訪ねた民家で競泳部のマドンナ・翔子先輩に遭遇! 翔子は何度か八丈島に訪れているらしい。翔子に道案内を頼むが、ひょんなことから彼女をおんぶすることに。背中に伝わる彼女の胸の膨らみ、短パンからこぼれる生臀、手に吸い付く肌のぬくもりに、竜一はムラムラして……。その夜、泊まった旅館の女将は若くして未亡人となった瑠衣。漁師だった亭主とのこれまでの情事を聞くともなく聞かされているうちに、艶めかしい言葉と淫戯に誘い込まれ……。八丈島で繰り広げられる、性春官能!
基本情報
| 著者 | 末廣圭 |
|---|---|
| 発売日 | 2018/09/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.7 |
| スコア | 87 |
9位 キラー・レディ伝説 (館淳一)
華奢な体と美しい顔立ち――完璧な女装をこなすことのできる青年、理央は、その特技をいかして女子寮に忍び込んでは盗んだレオタードを売って荒稼ぎをしていたが、とある寮でついに捕まってしまう。だが、意外にも理央は富裕層相手の売春組織、スカラベ・アートモデル倶楽部を営む妖艶なハーフ美女、ヘルガに女の姿で女を犯す技を買われ、高級娼婦として働くことに。そんな理央には、ある「大望」があって…。倒錯の痛快エロチックサスペンス!
基本情報
| 著者 | 館淳一 |
|---|---|
| 発売日 | 2013/12/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.7 |
| スコア | 87 |
10位 小夜子先生の美尻 (睦月影郎)
純白のドレスをめくりあげ…花嫁姿の先生を… 伝統ある女子○から共学に変わったばかりの月見ヶ丘学園。転校生の慎一は美しいお尻をもつ音楽教師の小夜子先生に憧れていた。ある日、上級生に淫らな悪戯をされているところを先生に見られてしまった慎一。心配してくれた美教師の優しさにつけ入るようにして押し倒し、ついに童貞喪失を果たしたのだが。以来、先生は目も合わせてくれず…。可憐な下級生や熟女学園長ともイケナイ関係になりながら、慎一の小夜子先生への欲望は日増しに募ってゆき……。
基本情報
| 著者 | 睦月影郎 |
|---|---|
| 発売日 | 2015/01/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.8 |
| スコア | 85 |
11位 濡れる島と灯台の記憶 (末廣圭)
乗り合いの釣り船を操る慎太郎は、仕事に追われて独身のまま30歳を迎えた。初恋の人の名前をつけた「七海丸」に今日も客を乗せ、仕事をしていると、妖艶で謎めいた人妻と出会う。下船後、その人妻は慎太郎に己の性欲をぶつけ、激しく潮を吹き──。その出会いをきっかけに、また一人、人妻が現れる。今度は沖の孤島で。その縁は、同級生の深沢七海に繋がってゆく。慎太郎は中○生の頃から彼女への恋情を持ち続けていた。再会した瞬間、歓喜と欲望で思わず……。遅れてきた青春を海の町で取り戻す男女の、淫らなおつゆと思いが溢れる、極上の官能物語!!
【目次】
第一章 釣り船に乗ってきた女
第二章 潮を吹く人妻
第三章 極上の海戯び
第四章 十五年ぶりの奇跡
第五章 三十歳の芽覚め
基本情報
| 著者 | 末廣圭 |
|---|---|
| 発売日 | 2020/09/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 4.0 |
| スコア | 84 |
12位 白い砂と海の欲望 (末廣圭)
宿さえない小さな島・うえず島に住む翔平は、ひょんなことから都会の美女・千尋を自宅に泊める。彼女の入浴中、見張りをするはずが、千尋に躯を洗ってほしいと頼まれて――。初めて知る女性の躯に股間を昂らせ、年上の千尋に翻弄されつつも夢中になる翔平。平日は石垣島で高○生活を送る彼の前に突然、高○一の美女・美咲も現れて!?女体への好奇心を抑え切れずに手つかずの自然の中で繰りかえされる新鮮で官能的な行為。そして後に明かされる、思いもよらぬ千尋の秘密とは一体……?
口コミ総評 白い砂浜という舞台の新鮮さと表紙が評価される。一方、濡れ場が終盤のみで物足りないという声や、語彙の露骨さ、結末の投げっぱなしを指摘する意見が並ぶ。
基本情報
| 著者 | 末廣圭 |
|---|---|
| 発売日 | 2016/11/25 |
| ページ数 | ページ |
| 評価 | 3.2 |
| スコア | 81 |
口コミ
- 「白い砂浜と透明な海という舞台が新鮮でよかったです。表紙も素晴らしいと思いました」
- 「エッチシーンが終盤のみなので物足りなかったです。もっと多かったらと思いました」
- 「単語が露骨すぎます。地の文でも伏字などなく、ただただ書き連ねていくので、扱う言葉のレパートリーや範囲をもう少し増やしてほしいです」
- 「内容がすべてラッキースケベで、途中の展開も唐突、最後も投げっぱなしでした」
ジャンル別・作家別・出版社別の一覧は、官能小説のおすすめ|レビューまとめからご覧いただけます。
